Source 最適なパワーインテグリティー測定の実現 | キーサイト
電源ノイズ測定にPower Rail Probeを使うことはよく知られている。最初にPower Rail Probeをリリースしたのがキーサイトだ。このANでは観測するだけではなく、解析にも踏み込んでいる。
まずPower Rail Probeでなければだめなのか?50Ω 1:1の広帯域同軸プローブでもいいのではないか?という疑問があったが、Power Rail ProbeはDC領域で十分高い入力インピーダンス(50kΩ)があるのに対し、同軸プローブはオシロの50Ωがシステムに負荷として加わることになる。これがシステムに与える影響が致命的かどうかは、やってみないとわからない。
InfiniiumのFFT機能を使って10MHzクロック、125MHzクロック、2.8MHzスイッチング周波数の影響を解析。ここでのポイントは10MHzと125MHzを同じFFTで観測することは難しい、という点。
125MHzの5次高次波を見るためには750MHzのSPANが必要で、このSPANで3kHz程度のRBWを得ようとすれば330μsより大きな500us(50us/)の時間を最低750MHz×2.56=2GSa/sのサンプリングが必要で、1Mptメモリが必要。ところがオシロのFFTはすべてのポイントを使って計算するのはない。キーサイトの場合だと最新の汎用オシロ(HD3)でDefault64kポイント。つまり普通のオシロではできない。
そこで、MATHを使って短い時間を切り出して、125MHz帯域のFFTを別のFFTで実行している。
さらに、10MHzクロックと125MHzクロックの相関の有無を確認するために、10MHzクロックでトリガをかけ、平均処理をすると、125MHzの信号が見えないことから、コヒーレンシーがないことも確認している。なかなかの技というか使いこなし。
ところでHD3では、FFTはMax32M ポイント。まで設定できる。どのように設定できるのか興味深い。



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